山田さんのお話-むつ、中間貯蔵操業計画に疑問

当実行員会の山田さんより論が寄せられていますので、掲載します。

* 表の数字が違っていましたので、訂正しました。(2013/02/21)

むつ、中間貯蔵操業計画に疑問

 1月末、むつ市の中間貯蔵施設と六ケ所村の再処理工場で、それぞれ事業計画を明らかにしました。

年 度 別 搬入容器数(体) 燃料体数(体) ウラン量(t) 累積燃料体数(体) 累積保管ウラン量(t)
2013年度 69 12 69 12
2014年度 138 24 207 36
2015年度 483 84 483 121
合  計 10 690 121 690 121

再処理施設の使用計画(2013年1月末、日本原燃が原子力規制委員会に提示)

年 度 燃料受入量(t) 再処理量(t) 累積貯蔵量(t) プル(kg) ウラン(t) 核のゴミ(t) 累積プル(kg) 累積ウラン(t)
12年度 19 2937 0 0 0 6656 364
13年度 20 80 2878 1986 111 ▲33 8642 474
14年度 60 320 2618 5712 293 21 14354 767
15年度 320 380 2458 8568 439 ▲67 22922 1206
合 計 400 780 2458 16266 842   22922 1206

核のゴミは、当方が勝手に書き込んだものです。提示書類にはありません。通常は、再処理量からプルトニウムとウランを引けば、核のゴミが出ます。

でも、そうならないのが、再処理工場の不思議なところです。

 再処理工場の方は、竣工前ですが、操業を前提に進めているので、計画を出すのは理解できます。ただし、これまでも計画通りでなかったので、それが進むとは、どなたにも思えない。この計画が不思議なのは、再処理量とウラン量が違う点です。単純に考えても、780トン再処理して、ウランが842トンできるのはおかしいでしょう。なぜこうなるかと言えば、おそらくは総延長約1300㎞の配管中に、ウランやプルトニウムが溜まったまま、竣工まで待っているということなのでしょう。硝酸溶液を満たしておかないと、腐食が進行して、配管がぼろぼろになるという構図が、原発の廃炉と同様に薬価な課題であるのだと思います。それだけ、慎重な作業が必要な再処理工場なのでしょう。再処理量800トンで、高レベル廃棄物が1000本出る計算。洗浄運転を行われると1300本が発生する計算です。この通りになるのか、それを上回るものになるのか、それとも事故を起こして止まってしまうのか? やってみないと分からないという状況です。

 なお、高レベル放射性廃液の貯蔵量は、以前240tあると聞きました。その数字は、その後も変わりません。というか、教えないと言います。3年間の再処理で、貯蔵容量を超えてしまう可能性も出てきますが、その前に、溶融炉の交換という一大事業も控えています。果たして、それが無事に行えるのか、大変疑問なことが多いのですね。 

 問題は、むつ市の中間貯蔵です。これまで伝え聞いた話によれば、受け入れた燃料の搬出計画が定まらないうちは受け入れは考えていないとしてきました。つまり、第二再処理工場の具体的計画が立たない以上、受け入れができないと、聞いてきました。その前提なしに、新潟からの受け入れを計画に盛り込んだのです。

 実は、県も搬出時期には神経を砕いていて、国の方針が定まらないのに苦慮しているようです。

 ついこの前まで2030年代までの脱原発の政権党、いまは原発容認の自民党、政権党次第で方向性が変わることは、原子力事業者にすれば怖いことでしょう。でも、これは、福島原発事故が起きたから対応が変わったのであって、それ以前は、民主党も自民党も原発推進であったのを忘れては困ります。

 原発事故が起きて、国民の声を聴いて、より国民の支持を得やすい方向に舵を切ったにすぎません。

 だとすれば、第二再処理工場の具体的な計画を立てられない状況で、なぜ受け入れ計画を立てたのかは、リサイクル貯蔵に確認しなければなりません。

 もっとも、出資者の東京電力、日本原電ともに、財政基盤が危ういと指摘されています。果たして、貯蔵事業を維持できるのかも、怪しい。最終的には、電力利用者の国民が負担を背負うことになるのでしょうが、それでいいという人はいないでしょう。

 いま、関西電力、九州電力、東北電力が値上げ申請し、他社も追随しそうです。値上げの負担は、利用者が背負います。でも、経費削減すべきものがあるはずです。その一番のガンが、六ヶ所再処理工場の費用負担です。再処理しないのに、再処理前受金で会社の経費を払うような会社に、私たちの電気料金と税金が投入されています。この会社をつぶせば、電力会社は値上げを回避できるはずです。でも、それをすると、今度は自分たちが核のゴミの管理をしなくてはならなくなるので、それはしたくないだけでしょう。

 今後は、各電力会社が中間貯蔵施設を建設して、幻の第二再処理工場を生かして、貯蔵を開始していくのだろうと思います。それを粉砕するためには、リサイクル貯蔵施設の操業計画を白紙にさせることが必要でしょう。

 私は青森の地でできることをしますが、東京電力利用者の皆さんにも関心を持っていただきたい。 

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